beginning




ここでは、
私たちが活動を始めるきっかけの一つとなった
出来事をお話しようと思います。

2012年の3月、
久しぶりにフリーマーケットに
出店することになったのですが、
お店に並べるモノが手元に無かったので、
休みの日は材料の買い出し、
平日は仕事が終わってから夜中まで制作…、
毎日寝不足になりながらも、
トートバッグや小さな雑貨などを
いくつかつくり、
当日は、なんとか私たちなりに
満足できるモノをテーブルに
並べることができました。

街の中心から少し離れた
神社のすぐ脇で開催する、
小さなフリーマーケットでしたが、
お昼になろうとする頃には、
人が増えて賑やかになってきました。
でも、お客さんは、
私たちのお店をちらりと見ては、
通り過ぎるだけ…。 他のお店はといえば、
何人か立ち止まっていろいろ手に取り、
店員さんとの会話もはずみ、
順調に売れているようでした。

私たちは、
お昼を過ぎても1つも売れないので、
“頑張って作ったけれど、
今日はダメかもしれないな…、
ちょっと疲れてきたし早めに帰ろうかな…”
という思いもしてきていました。

そんなあきらめかけているとき、
一人の女性の方が足を止めて、
「これ、素敵ですね!」と、
紙に書かれた言葉とお花のことを
笑顔で褒めてくれて、
2つ買っていってくれました。

それは、
「お花を一輪(いちりん)いかがですか?」
と書いた紙を添えた、
白いお花のピンバッジでした。

しかし、そのお花のピンバッジは、
造花のお花の裏にピンをつけて
簡単に作ったもので、正直、
私たちは“これは売れないだろうな…“と
思っていたモノでしたし、そうでなくとも、
他のトートバッグや雑貨なんかのほうが
売れるだろう、と思っていました。
結局、その日売れたのは、
そのお花のピンバッジ2つだけで、
売上げは、たったの100円(1個50円)でした。

それから少し日が経ってからも、
なぜ、あの女性はお花のピンバッジを
買っていってくれたのかな…
と気になっていました。
そして私たちは、
買ってくれた女性のことや
お花のことを思い出し、もしかして、
あの日あの女性はデートの日で、
ボーイフレンドとお揃いでお花をつけて
一日を過ごしてくれたのかな…とか、
だったら、待ち合わせのときに、
女性の胸元のお花に気がついた
ボーイフレンドはどんな気持ちかな…とか、
そうでなくとも、お花をつけてくれた日に、
小さなことでも素敵なことが
あったらいいのにな…
とかを頭に浮かべていると、
不思議とどんどん楽しくなっていき、
少し大げさかもしれませんが、
「あのフリーマーケットで、
売上げはたった100円で最低のお店
だったかもしれないけれど、
私たちは、どこのお店の誰よりも
1番大切な大きなものを
手にしたのかもしれない!!」
と勝手に盛り上がっていきました。

それが、「Junny」の始まりでした。

昔読んだ本に、ある芸術家が、
自分の妻の新たな挑戦に対して、
そっと背中を押すのために
贈った言葉が書いてありました。

『You can do much more than
you think you could do it.』

君は、自分ひとりで考えている以上のことを、
やろうと思えばできるはずだ。

私たちも、その気になって
頑張ってみます。

2012.8 by Junny